ジャンボー 怒りの留守番
上州ゆめぐり号に乗って、湯治の旅いざ草津へ。
伊香保を過ぎてひと山ふた山越えて
広がる銀世界。
心穏やかにその景色を堪能。
気温 8℃
あ、間違えた、
気温 ―8℃
バスターミナルを出て、―8℃で冷やされた体を
おうどんとお蕎麦で温める。
温まった胃袋に、クラシックラガーを流し入れたら、用意は良い?
いざ、宿へ。
毎度お世話になりありがとうございます、草津ホテル様に到着。
風情がある、とはこのことか。
いやむしろ
このことかい?
はたまた、
こんなことかい?
目に入る風情が、心を和ませてくれて、
時におなら臭い湯畑が、私のおならを誤魔化してくれる。
そして、かぶれ放題の2人の皮膚を、無かった事にしてくれた、
草津に感謝。
がしかし、旅には付き物なのが
お留守番。
夫婦で感謝感激に浸っている最中、
ジャンボーは怒っていた。
ジャンバーは怒っていた。
「私1人を置いてくなんて!この怒り!どうしてくれる!」
爪出てる。(笑)
とは言え多少、腹時計が狂った程度で、
何事もなかった事は、本当に良かった。
本当に良かった。
ジェリクルキャッツをしってるかい?
「ねえねえ」
相変わらず猫なで声で、私に何度も語りかけてくるので、
「なーに?」と応える。
そんなやりとりを、数十分繰り返すのだけれど、
通常、その主たる理由は
・遊べ
・メシ
・鰹節
・眠い
・寒い
・※風呂
であることが大抵で、これらを満たして差し上げれば
大概は満足気取りでルンルンなのだが、
今日に限ってはそうはいかず、「ねえねえ攻撃」を繰り返す。
「いいから、こっちに来て喉のあたりをさすれよー」
おっと、ようやく本心を打ち明けたので
喉さすりをしてあげようと、カーペットを離れジャン子のいるテレビ台に移動し、
喉さすりをしようとした、私の優しい手がもうすぐ彼女に届く、まさにその寸前。
その優しい手を払い除け、高台から優雅にジャンプを決めると、
私がぬくぬくしていたカーペットwith毛布の座をしれーっと奪いやがった。
初めからそこに狙いを定めていたかのように。
すると何事もなかったかのように、つやチャージ毛づくろいを始めた。
この数十分、超無駄なやりとりと見せかけといて、
実は綿密な計画性と、人の優しさの裏をかくあざとさを兼ね備えた
実に狡猾なシナリオが、彼女の脳裏に描かれていたとは。
くそー!ジャンめ!
でも、昨日観たCATSでオールド・デュトロノミーが言っていたじゃないか。
「猫を敬え」と。
猫は敬うべき生き物なのだ。
そのあざとさも、いじらしさも、優しい心があってのこと。
人間だってそうだ。
人間だって・・・
って、話がどこに向かうのかわからなくなってきたから、
パンとコーヒーで昼食にしよう。
ジャンにもあるんだろうな。
誰も知らない唯一の名が。
CATS、また観よう。